実家と相続

夫もしくは妻の両親と同居している割合は15%。

(色々な調査がありますが、おおむね13%~18%という結果のようです)

 

85%の老夫婦(もしくはどちらか一人)は、子供たちとは離れて暮らしているということです。

 

極端な言い方をすれば、「実家」の85%は将来、空き家になると言うことです。

 

今は別々に住んでいても、将来的には年老いた両親と同居しようと考えている人は40%。

(これも様々な調査結果がありますが・・・)

 

それでも、「実家」の60%は将来、空き家になる計算です。

 

ちょっと乱暴でしょうか。

 

都心部でも空き家は増えています。

弊社があるさいたま市でも空き家率は10%を超えています。

 

「実家」が放置されているのです。

 

なぜ、放置されてしまうのか。

 

大きな理由のひとつが「相続」にあります。

 

いざ両親が亡くなって実家を相続するとなった時、話がまとまらないのです。

たいがい、実家は築30年から40年。そのまま住み続けるにはちょっと厳しいですね。

戸建てならまだしも、マンションとなると個人レベルでは手の打ちようがありません。

 

売却するにもなかなか話がまとまらない事が多いようです。

「おとうさんの汗と涙の結晶をそんなに簡単に売るなんて!」とか、

「生まれ育った家がなくなるのは寂しい!」とか、ほぼ感情論ですよね。

 

結局、話はまとまらず兄弟姉妹の「共有」となった「実家」は、いよいよ手がつけられなくなります

最初のうちは仕方なく長男か長女が固定資産税を払ったり、庭の手入れに行ったりするのでしょうが、

それも手が回らなくなり、「実家」は荒れていきます。

人が住まなくなった家は半年でダメになると思って良いでしょう。

 

なぜ、こんなことになるのか。

 

それは、「実家」に対する思いが兄弟姉妹でそれぞれだからです。

それに、独立して実家を出て15年とか20年とか経つと、兄弟姉妹とは言え色々と事情が変わってきます。

兄弟姉妹間で経済的にも格差が生じてきます。

 

自分たちが亡くなった後、「実家」をどうするか、子供たちに委ねてはいけません。

それを決められるのは、唯一、ご両親だけです。

 

「実家」をどうしてほしいのか、元気なうちに決めておくのは両親の責任とも言えるでしょう。