遺言は民法で定められた法律行為です。
被相続人(亡くなられた方)の最終的な意思を尊重しようという制度ですので、法定相続分に優先するとされています。
遺言者(被相続人)の死亡後、相続でもめさせないためには非常に有効な手段となります。
自分が亡くなった後、相続を巡って親族間でもめごとが起こり、一族がばらばらになるなんて考えただけでゾッとしますよね。
遺言は、15歳以上で意思能力があれば誰でも作成することができます。たとえ未成年者であっても親権者の同意は不要です。
民法上、遺言の方式には幾つかのパターンが有るのですが、一般的なものとして「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」とがあります。
自筆証書遺言は、その名の通り「自筆」でなければなりません。すべてを自筆で書く必要があり、パソコンで書かれたモノ、代筆、録音されたモノなどはすべて無効となります。
全文を自筆し、確定日付の記載、署名、押印が必要となります。
日付は「4月吉日」のように曖昧な記載は認められません。遺言書そのものが法的な効力を失いますので気をつけましょう。
押印は認め印でも拇印でも大丈夫です。
自筆証書遺言は、書かれた内容の秘密は守られますが、偽造されたり改ざんされたりする恐れもあります。また、書式の不備、文意不明などにより、効力に疑問が発生する可能性があります。
その点、公正証書遺言は安心です。公正証書遺言の作成数はここ数年10万通を超えており、70歳になったときに遺言書を作成すると過程すると12~13人に一人の方が公正証書遺言を作成していることになります。
公正証書遺言を作成するためには、2人以上の証人と共に公証人役場へ行くか、公証人に自宅などへ出張してもらう必要があります。
ここで注意しなけれならないのは、財産を受け取る側の人は証人になれないと言うことです。
しかも、遺言したい内容を口頭で公証人に伝えますので、その内容が証人には知られてしまうことになります。
証人選びには、少し気を使う必要がありそうですね。
費用も少しかかります。
相続財産の総額と相続人の人数などにより金額はかわってきますが、おおむね5万円~10万円程度の費用がかかるようです。
「遺言書」と言うと縁起でも無い!と怒り出す人が未だに居ますが、私の経験上、元気なうちに「遺言書」を書かれた方のほうが、そのあと元気で長生きをされている方が多いように感じます。
きっと、遺言書をしたためることでひとつの悩み事が晴れ、ちょっとしたストレスから解消されるんでしょうね。
遺言書は何度でも書き換えることができます。
元気なうちに遺言書を書かれることを検討されてはいかがでしょうか。
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