相続財産に借金も含まれることは皆さんご存じだと思います。
被相続人(亡くなられた方)のプラスの財産、マイナスの財産を合計したものが
相続財産となり、遺産分割の対象となります。
マイナスの財産の中で注意しておかなければならないのは連帯債務です。
子が住宅ローンを組むときに親が連帯保証人になったりしますよね、あれです。
この連帯債務は借金をした本人がきちんと返済を続けている限り、
表面化することはありません。
あまり知られていませんが、この連帯債務も実は相続されるのです。
しかも、相続手続きがすべて終わって何年もたってから表面化することが多く、
相続放棄できる期間(3ヶ月以内)をとっくに過ぎているということが良くあります。
実際にあった事例です。
弟が父に連帯保証人になってもらい住宅を購入しました。
兄は実家を相続する前提で両親と同居していました。
十数年後、両親が相次いで他界、遺言書がありましたので
その通りに遺産分割を終えました。
それから数年後、兄のところに銀行からある通知が届きました。
父が保証人になっていた弟の住宅ローンの返済が滞っているので
相続人である兄に連帯保証債務として返済を肩代わりしてほしいと言うモノでした。
兄は慌てて弟に連絡するも、連絡がとれません。
弟はいつのまにか離婚しており、仕事もやめていました。
結局、兄はなんとか弟を探し出し、銀行と相談の上住宅を任意売却。
若干足りなかった残債を兄が肩代わりすることで決着はつきましたが、
兄にとってはとんだとばっちりした。
このケースでは、兄は父が弟の住宅ローンの連保証人になっていることを知っていましたので
なんとも言い訳ができませんでしたが、
連帯債務の存在をまったく知らなかったケースにおいては、
相続から何年か経過していたとしても相続放棄が認められるケースもあります。
万が一、このようなことがあったとしても慌てず、司法書士や弁護士を通じて
家庭裁判所に相談されることをお勧めします。
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