相続問題の解決策としてありがちなのが、先延ばしです。
相続人が増えれば増えるほど、相続発生から時間がたてばたつほど、
色々な意見や考え方が出てきます。
相続する財産がたくさんある場合は、取り合いになるかもしれませんが
分け合うということができます。
しかし、兄弟3人実家はひとつ、さしたる金融資産もなしというような場合、
結局、実家を分割するしかありません。
売却して現金を3等分すれば丸く収まるのかもしれませんが、
実家で親と同居していた兄弟がいたりすると一筋縄ではまとまりません。
両親が苦労して手に入れたマイホームを売るなんて、、、と言い出す人がいるかもしれません。
そうこうしているうちに相続税の申告期限である10ヶ月が経過し、
時間切れで実家は3兄弟の共有とする、という玉虫色の結論に至ることは良くあります。
一度共有財産としてしまうと、その財産の処分は大変です。
時間の経過とともに共有者の懐事情も変わってきます。
共有者が死亡しその子たちが共有の権利を相続し、共有者がどんどん増えていくということもあります。
なかには、共有の権利を現金化したくなる人も出てきますよね。
最悪の場合、共有物の分割請求がなされ、裁判所の権限で強制的に売却、などということにもなりかねません。
相続は、被相続人の意思が大切です。
遺産の分割を相続人に委ねるのではなく、被相続人がその意思をあらかじめ遺言書などで
明確に示すことで不要な先延ばし問題を避けなければなりません。
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