遺言によって不動産を相続すると、普通は相続登記がされます。
ただ、相続登記自体は義務ではありませんので、手続きがきちんとされないケースもあります。
ひどいケースだと、70年以上前に亡くなった方の名義のままになっているということもあるようです。
相続に相続がかさなるなどして、誰が所有者なのかすぐに特定できない状態になっている土地は
全国で410万ヘクタールを上回ると言われており、これは九州地方の面積をゆうに超えます。
所有者不明の土地や家屋は荒れ果て、近所迷惑となり、公共事業の妨げとなります。
結果、周辺の不動産価値を落とし、社会的経済価値をき損していくのです。
このような事態への対応として、相続登記を義務化しようという動きがあります。
近い将来、罰則規定付きで法制化される見通しです。
これと合わせて、土地放棄制度が検討されています。
ある一定の条件のもと、所有する土地の権利を放棄できるようにし、
納税などの義務から逃れることができる制度を作ろうというものです。
本件に関して、すでに関係閣僚会議が招集され、法務省の研究会でも具体的な検討に入っています。
おそらく、2020年ごろまでには関連法案が国会に提出され、2022年の民法改正と前後して、
施行されるものと思われます。
相続にからむ重要な法令改正ですので、今後も注視してまいります。
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